お客様の声|Sanyo Kasei Thailand ワルニー様
タイ人マネジャー育成のため、マネジメント・デベロップメント・プログラム(MDP)を採用いただいた企業様の声を掲載しております。
今回は、三洋化成グループで初めての女性取締役として活躍されている、Varunee(ワルニー)様にお話をうかがいます。
タイ語版:ภาษาไทย
SANYO KASEI (THAILAND) LTD.
General Manager / Director Varunee Sucharit様
SANYO KASEI (THAILAND) LTD.は、三洋化成工業株式会社の現地法人として1997年に設立されました。
バンコクに本社オフィスがあり、車で2時間半ほど南下したラヨン県Rojana工業団地の工場では、繊維用化学品、界面活性剤、塗料原料などを製造しています。
ワルニー様は創業期に入社。歴代の日本人経営層からも絶大な信頼を得てきました。
2018年に取締役に昇格。「現地採用スタッフからの初めての取締役昇格者」として、同氏のインタビューが社内報で各国の拠点にも紹介され、数多くのスタッフに希望を与えました。
同社には当初、タイ人管理職層のマネジメント能力や、自発性に課題がありました。
そのため、おもに当時の社長とワルニー様が主体となってマネジメント教育MDPを採用しました。
2020年に弊社マネジメント教育(MDP)を採用決定するも、パンデミックの影響により2022年から実施。
2022年11月には、研修後フォローアップまでのすべての行程を修了しました。
同社Webサイト: https://www.sanyo-kasei.co.th/EN/home.html
(文責・インタビュアー: WS PARTNERS シニアコンサルタント 西尾健史)
西尾: はじめに簡単な自己紹介と、御社についての紹介をお願いします。
Varunee: ワルニーと申します。三洋化成に入社して今年で23年になります。
弊社は化学メーカーで、ポリオキシプロピレングリコール(界面活性剤の材料)や塗料原料、帯電防止剤などの化学品を製造しています。
西尾: さっそくですが、トレーニング導入前には、どのような課題があったのですか?
Varunee: メンバーたちは、個人個人は業務に関するスキルが高いプロフェッショナルです。
でも、マネジメント能力をもっと伸ばせば、自部門はもちろん他部門との連携を含めてもっと成長してくれると考えて、今回のマネジメント教育を採用しました。
西尾: そうすると、彼らは業務はできるけれど、人のマネジメントや、広い視野で考える、ということはあまりできていなかった、ということですか?
Varunee: はい、その通りです。でも、彼らはまだまだ若いので個人としても成長してくれると考えました。
西尾: 彼らが将来会社を支えていく人材になることを期待している、ということですか?
Varunee: はい。当社は会社設立以来、幹部層は日本人でした。私が初めてのタイ人幹部になりましたが、もっとタイ人の幹部人材を増やしていきたいと思います。
西尾: そうした状況のなか、弊社のトレーニングを選んだ理由はなんでしょう?
Varunee: 当初このトレーニング(MDP)についてよく知りませんでしたが、当時の社長だった荒木さんから情報をもらいました。
弊社に合いそうだと感じていたようです。私も良い機会だと思い、やってみよう決めました。結果的には、とても満足できる結果でした。
タイの地元企業のトレーニングと比べてコストが高いのは事実です。しかし長い目で考え、より効果が高いものを選ぼうと考えました。
オフィスで業務中の様子も撮って頂きました
西尾: では、実施した結果がどうだったか、教えてください。
Varunee: 受講生とも直接話しましたが、内容はとても役に立っています。しかし人によって効果の大きさは異なり、とくにSさんが最も大きく変化しましたね。
私からみても、彼と部下とのやり取り、話を聞く姿勢、部下との関係が大きく改善しました。今は感情のコントロールができています。それが仕事の結果にも反映されています。
西尾: Varuneeさんは、Sさんとは20年以上一緒に働いているそうですね。
Varunee: はい、21年間、一緒に仕事をしています。かつて彼は部下の意見にあまり耳を傾けず、自分が正しい、という態度でしたが、今は話しかけづらい雰囲気はすっかりなくなりました。
仕事の指示の仕方もうまくなり、信頼を得ています。部の雰囲気自体が変わりましたね。
西尾: 具体的には、彼の指示を出し方はどのように変わったのですか?
Varunee: 昔は感情的になりやすく、思い通りにならないとそれが言い方や表情にも表していたのですが、今は感情的にならずに、部下にアドバイスを与えています。
部内だけではなく、マネジャー会議でも、意見が合わないときでも話を聞く態度があります。
ラヨン県のRojana工業団地にある、三洋化成のタイ工場
西尾: 今回のメンバーでは、S氏のほか、U氏も部下との関係に課題を抱えていましたね。
Varunee: 彼も、部下への話し方、部下の話の聞き方や聞く頻度が変わりました。昔と違い、今の彼は部下と意見交換したり、相手の話を聞いています。
彼は、現在は人の少ない部署にいますが、製造部にいた頃の彼は、スタッフやオペレーターの意見や提案に耳を傾けていなかったと思います。自分の言うことが正しい、と。
西尾: 確かに、研修前のインタビューで、彼本人も、製造の部下が指示を聞いてくれない、と漏らしていましたね。
Varunee: はい、それは私からみれば、その一部は、過去の彼自身にも原因があったと思います。
西尾: いまはトレーニングを受けてそれが改善された。Uさんは、このトレーニングで習ったことを自分のご家族に対しても使っているそうです。
Varunee: とても良い事ですね。
西尾: それから、今回参加したKさんは、人事とアドミンとInnovation(革新)とQCを兼務、という状態でしたが、彼について、トレーニングの前と後で変化を感じたことはりますか?
Varunee: 彼は今回の研修の目的や内容を一番理解できていると思います。
もともと優秀な人なので極端に変わったわけではありませんが、以前は苦手だった女性部下とのやりとりが上手くなり、仕事でも良い協力関係が築けました。
今後も会社のために貢献してくれると思います。
西尾: たしかに、研修のなかでも「以前はこちらがきかないと報告してくれなかった部下が、状況を教えてくれるようになった」と言っていますね。
西尾: 次に、Pさんはいかがですか。忙しくて、研修で習ったことの実践に苦しんでいたようですが。
Varunee: 彼はスーパーバイザーから昇格したばかりなので、まだ慣れていませんね。
上手くいかなかった部下との関係も、お互いが昔よりも大人になったので、時間が経てばもっと良くなるでしょう。
西尾: なるほど。では、あらためて、このトレーニングの良い点・悪い点について話してください。
Varunee: 良いところは、習ったことの実践をすることと、それに対するフィードバックがあることですね。
また、事前インタビュー・中間報告・最終インタビューがあり、受講者の状況や変化がわかるのが良いです。
悪いところは、研修を業務時間中に実施するので、緊急の仕事が割り込んでくると研修の効率が低下するおそれがありますね。実践時間が足りないときもあると思います。
私ももっと受講者の様子をのぞきに行きたかったですね。
西尾: このトレーニングはどのような会社に向いていると思いますか。
Varunee: スーパーバイザーから将来の幹部候補まで、今後もっと伸びてほしい人には合うと思います。
西尾: このトレーニングに関する質問は以上で終わりです。最後に、今後の御社について考えていることを教えてください。
Varunee: タイの会社ですから、さらにタイ人が中心になって運営できるようになると良いですね。
そして日本から来た人がアドバイザーとして活躍してもらえたらとても良いと思います。
西尾: 私たちも、三洋化成タイランドの今後のますますの発展を応援しております。本日はどうもありがとうございました。
(文責・インタビュアー: WS PARTNERS シニアコンサルタント 西尾健史)